ドーパミン


先日、Netflixの「cali k9」という犬のトレーナーのドキュメンタリーシリーズを涙しながら観ていました。

 

トレーナーのジャスさんは、子供のときに飼っていた犬が、他の犬を噛んでしまい、しつけができないせいで「安楽死」させざるをえなかったそうです。

 

そのときの自分の知識のなさに悔しさを覚え、今、「どんな犬でもしつける」トレーナーとして活躍されております。

 

 

ドキュメンタリー中のジャスさんの一言一言が、同じ動物を扱う人として、染みる、染みる。
初めて、Netflix観ながらノートをとりました。(笑)

 

ジャスさんのお言葉を紹介したいと思います。

「(犬を)人間扱いするな。犬は犬らしくあるべき。」

「何かを犬に指示するときは、根拠を持ち、リスペクトすること。」

「常に訓練だ。(訓練所から戻ったとき、前と同じ扱いをしてしまえば訓練所にくる前の状態に戻ってしまう)」

「犬が自分の指示を無視したときを見逃さない。」

「指示は口調よりタイミング。」

「一貫性を持つこと」

 

クライアントさんが、change my life と言っていたのも印象的でした。

犬のしつけを学ぶことは、人生をも変えるのです。

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ジャスさんのお言葉は、馬にも通用すること沢山。


指示に反応してもらうまで2秒以内、ごほうびも2秒以内に、というのは、日頃私がお伝えしていることと同じ~!

 

ただ、馬と犬、何が違うのか。

「ご褒美」です。

ジャスさんは、犬のドーパミンを刺激する、と表現しています。狩猟本能が強い犬に対しては、ご褒美を「おもちゃで遊ぶ」に設定し、エサに食いつく(ほぼこちらでしたが)犬に対しては「エサをあげる」のご褒美です。

 

犬は草食動物ではないので餌を獲得したり、狩猟することが、本能的に直接ドーパミンに働くのだとか。

 

では馬は?
草食動物なので、もちろん草を食べることも快楽ですが、その前に「狙われる動物」ですので、「安全で快適な場所にいる」ことが一番のご褒美です。このことはumanotonariのワークショップに来ていただいてる方には毎回お伝えしております。
さて、どうやってその「安全で快適な場所にいる」というご褒美をあげるのでしょうか?

 

それは

人がまず「リラックス」していること。です。

犬に褒めるとき「よしよ~し!!」と言って大げさに喜んだり、おもいっきりなでたりすることもあるとは思いますが、それを馬にやってしまうとちょっとうざがられるかもしれません笑

それよりも、落ち着いたトーンで「いい子」といって息を吐き、人の力を抜くほうが馬は気持ちよさそうにしています。

 

じゃあ、ご褒美に餌をあげたらいけないの?

いえ、そんなことはありません。

正しいタイミングで餌を与えるのはとても効果的な方法のひとつですが、

ただすぐに褒めたいときに餌を与える時間が、私は少しかかりすぎるなと思います。

また、人が緊張しながら与える餌は、人と馬との関係性を築く上ではあまり効果がない気がします。

 

馬との精神的なコネクトを試したいのなら、人のリラックスで馬がリラックスしたことを感じ取ることからスタートだと思います。

すれば指示のあとに、言葉や餌ではなく、精神状態での会話で「ご褒美」を与えることができるのではないかと、考えます。