「おなら」で気づいた、馬の隠れた筋肉

 

競走馬におけるグランドワークの有効性について

主観的に記事にしてまとめたことがあります。

その主なテーマは、人間から出るエネルギーの馬への影響、馬の精神状態の重要性についてでした。

参考:グランドワークの競走馬における有効性 - BLOG -umanotonari-

 

今回の記事は、フィジカル面です!

 

きっかけは、「おなら」です。

 

トモ肢が踏ん張れない子を、グランドワークの円運動をおこなうと

「おなら」が「いやいや、出すぎやろ。」って小声で突っ込むほど

たくさん出るんです。

 

そういや乗馬のインストラクターしてたときに

5頭部半、ナイター、初心者ばかりのレッスンで、ある1頭の馬が世にも恐ろしいビッグボリュームな「おなら」をして、その音に本人(馬)と周りの馬が驚き、一斉に走り出し、、、、恐ろしいレッスンにさせてしまった経験があります。

 

はい、話を元に戻しますが、

 

なんで円運動してたら、こんなに「おなら」出るんや?

という疑問がもやもやと頭にあり、、

結論は

「グランドワークでの小さな円運動は、地上での馬との会話はもちろん、馬の体幹を鍛えることができる。」

です。

体幹鍛えられると、どうなるかというと

・良いバランスと全体的な筋肉の強さ

・怪我の危険性を減少できる。

・セルフキャリッジの向上、スムーズかつ効率的な動き

『馬の動き』著:Gillian Higgins

と一部を上げましたが、競走馬においては「高速で運動する時に、特に意味があります」(p84同書)

 

なぜそういう結論になったか

 

おならをする馬は、1週間以上マシン運動のみであったり、休養明けであったりと、速歩以上の動きを普段求められていない馬であり、トモのふんばりが弱かったりする馬です。

おならをするタイミングは、円運動で人の扶助に対して柔らかく反応しない側からのベントを取りながらの運動をもとめたときです。  

 

ベントを求めるときの体制で、おならの圧迫に直結しそうな部位、、

それが、腸腰筋です。

この筋肉は骨盤を下方に滑り込ませ、後肢を踏み出させる作用を持ち、馬体の収縮のために重要な筋肉で、この場所にあります↓右上ピンクのところ。

 

この筋肉は、深い位置にあり、体表からは触知できず、マッサージや物理的療法の効果は期待できないのだそう。このあたり、ちょうど、排泄物が出る付近、、↓

 

人間の腸活の、腰をひねるストレッチで、腸の蠕動運動を促進するものと似ているのかしら。

 

 

円運動すると、普段使われていない、鍛えられていない腸腰筋に良いアプローチができているんじゃないかと思いました。

 

この腸腰筋は、体幹の安定性に必要不可欠な隠れた筋肉で、

そこにいい刺激を与えれているのかなあ、、と。

 

なーんか後ろ脚こないな~、なんとなく、腰のあたりの何かが足りないな~という馬がいますが、その私の感覚って、腸腰筋なんだわ!

 

そして、ベントの際の背中の屈曲させる腹部の筋肉も体幹に必要な筋肉ですが、それも腸圧迫の刺激になっているんだわ!!

 

 

という、、エビデンスが欠け欠けなのに納得しました。笑

 

円運動以外の直線運動や、マシン運動、放牧でのおならの回数と比較するべきですが、私の個人的な回数で「多い」と判断していますし、おならは、副交感神経が優位なときにも現れるので、グランドワークでの円運動中の心拍数を調べてリラックスしてるかどうかを調べる必要がありますし、摂取物も考察しなければならいし、、、

まったくの根拠もない、今回も主観的な記事となりました。

 

 

なので、科学的根拠となる記事を紹介して締めます笑

 

Training Young Horses: The Science behind the Benefits - PMC

の研究によると、
 
2歳までの若いときに、スプリンター運動(短距離の全力疾走)を定期的に入れたほうが、将来的に怪我のリスクが低く、厳しい競争に適した筋骨格が備わるそうです。
 
この科学的根拠があるにもかかわらず、負荷のかかる調教は骨格的に成熟するまで待ったほうがいいと未だに多くの馬のコミュニティで思われているそうです。
あと、放牧もかなり重要だそう。
 
詳しくは、記事をご覧ください。
免疫、骨、関節、腱の詳しいデータと研究結果が出ています。

 

研究者ってかっこいいなあ。。