馬への「怒り方」が分からないです。
ってたまに聞いてくる人がいます。
そもそも、
馬に「怒る」ということはありません。
何をしてほしいのかという
「提案の仕方」を考えたいです。
「怒る」(「だめ!」とか「こら!」とか)は、
考えることを放棄した怠慢です。
そんなネガティブなエネルギーで
馬は理解するはずがありません。
でも、人間は人間の思考をもっていますので、
「悪いことをしたら、罰を与える(叱る、怒る)」
と考えやすいし、
「悪いことをやめさせたい」
と考えてしまいがちですね。
でもそれだと
オペラント条件付けのなかでは、
正の弱化(行動をやめさせるために罰を与える)
になってしまいます。
4つのオペラント条件付けのなかで
絶対に使いたくない1つが「正の弱化」なんですが、
人間は、これを使いやすいです。
オペラント条件付けを知らない人は、
youtube にまとめていますので、ご覧ください。
こちらをみると、
正の弱化が、馬にとっても、人にとっても
なんのメリットもないことが分かると思います。
なおかつ、馬は前頭前野をもっていないので
負の弱化も使いにくいですね。
結局、正の強化や負の強化を使っていくわけです。
強化=「自ら行動してもらう」です。
何を馬にしてもらいたいのか
ということを人が考えれば
「怒る」なんてことはありません。
そして、何をしてほしいかを馬に選ばせるために
プレッシャーを使うことがありますが、
これは「怒り」まかせには決して行わず、
人間の内面と動きを「意図的に」上げて
馬が自らしてくれたときに、プレッシャーを解除します。
「何をしてほしいか」というのが
明確であればあるほど、
プレッシャーのリリースは早く、
沢山ほめることができます。
馬は、食べるよりも「安全」欲求なので、
人が息を吐いてリラックスするだけで伝わるのは、
褒めるタイミングが早くできるのでいいですね。
と、ここまで説明した直後にも
「じゃあ、洗い場でバタバタと動いてしまう馬を
動かなくさせるには?」って
言う人がいます。
思考を変えるのってなかなか難しいですが、
トライしていきましょう。
だって、
馬と人間のコミュニケーションですよ?
やばくて、面白くて、奇跡的なことをしてるんですよ?
すぐにはできないかもしれませんが、
意識して変えていきましょう。