言葉を使うということ

「好き」ってなんですか?

その紙に書いてください。

 

と、学生さんに伝えると

みなさん眉間に皺を寄せて、一瞬フリーズ。(笑)

 

え?好きって何って、、、、

 

しばらくすると、

みなさんのペンがゆっくり動き出します。

 

そして一人ずつ発表してもらいました。

 

すると、みなさん本当に様々な言葉を使って

「好き」ということを表現してくれました。

 

ドキッとさせられる表現、

優しい空気が流れるような表現

キュンキュンさせられてしまった表現、、

哲学っぽい表現、、

 

 

素晴らしい。。

「好き」って言葉の中には

こんなにも沢山の言葉が詰まっているわけです。

 

逆に言えば、

自分の中にある様々な感情を

「好き」という簡単な言葉で表してしまうと

大切なその細かな感情が

見えづらくなってしまっていませんか。

 

言葉を使う時点で、そこには

自分オリジナルの感情ではなく、

 

誰かから教えられた「言葉」を借りて

自分の感情に近しい「言葉」を使い、

表現しているにすぎないのです。

 

え、、

 

そんなこといったら、ほんとの自分ってないのかな??

 

と疑問に持つかもしれません。

 

 

ここで「言葉より行動」という言葉が出てくるわけです。

 

言葉よりも行動でしめせ

という言葉を聞いたことがあると思います。

 

みなさん、実は知ってるんです、

言葉は、「そのもの」ではない、ということを。

 

じゃあ、「そのもの」つまり

「あなたそのもの」は何かというと

 

身体なんです。

 

身体の動きなんです。

 

 

「会いたい」という言葉ではなく

会いに行くという身体を動かすことや

 

「ありがとう」という言葉ともに

長文のメッセージをラインに綴る作業や、

プレゼントを買いに行ったことや、

 

「うれしい」という言葉とともに

流れる涙や

 

「いいね」という言葉とともに

穏やかな目や

 

「止まって」という言葉とともに

突き刺さる目線や

 

言葉以上に、その人の身体情報を

みなさんは得ようとしているんです。

そっちのほうが信じられるんです。

 

 

この話、どうつながるか

分かりましたか?

 

 

これって、馬と一緒ですよね。

 

 

馬は、言葉ではなく、

あなたの身体情報(エネルギーも含め)を

純粋にみてきます。

 

息遣いや、姿勢、すべて。

 

 

まずは、見たままを感じれるように。

 

次に、馬や自分を

見たままの言葉で表現してみてください。

 

この「見たままを言葉で表現する」って

最初は難しいかもしれませんが、

これが馬とコミュニケーションをとれる第一歩です。

 

 

谷川俊太郎 「鳥」

 

鳥は空を名づけない
鳥は空を飛ぶだけだ
鳥は虫を名づけない
鳥は虫を食べるだけだ
鳥は愛を名づけない
鳥はただふたりで生きてゆくだけだ

中略

鳥は生を名づけない
鳥はただ動いているだけだ
鳥は死を名づけない
鳥は動かなくなるだけだ

 

言葉によって、見える景色を、自分自身を、

鮮明に分かったと思うことができますが

 

言葉によって見えなくなってしまうものもあるという

限界も知っておきたいです。