「指示」はすべて「質問」と考える~持田裕之先生の講習から~

 

 

先日、持田裕之先生のホースマンシップの講習を受けたときのお話。

 

今回自分の中で、ひっかかったキーワードが「質問」

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馬への「質問」

仕事上における「質問」

 

と、2つに分けてお話します。

 

 

馬への「質問」 ~乗馬したことある人向けどす~

 

 

どうしても、「合図」「扶助」など、騎乗者側の「一方的」な指示ばかりに重きをおいてしまいがちですが、「指示」ではなく「質問」をするのだと考え方を変えてたほうがいいのかなと思います。馬に接するときすべてです。

 

「指示」という考えかたから「質問」へ。

 

「指示」をしているわけではなく、「質問」をしているという認識になればおのずと「答えを聞こう」としますよね。だって「質問」しているわけですから。

で、こちら側が思っているうよう答えてくれたら、「そうだね」とOKを出してあげる。 違う答えを出されたら、なぜそういう答えになったのか再考する。

 

つまり、馬と接っするにあたって必要なものって

「質問」と「答えを聞く姿勢」と「OKと言う/リラックス(内面を下げる)」。

 

って勝手に結論づけちゃおう! 笑

 

例えば、騎乗者が馬に右脚をあてて左に動いてほしいとします。

 

「右脚をあてる」というのが「指示」としかとらえれていない人は

もし馬が左に動いれなかったら「指示に従わない馬だ!」と考えやすくなります。

しかし

「右脚をあてる」というのが、左に動く意味だけどわかる?という「質問」であったなら、馬が動いてくれなかったら、「まだこの子は右脚の意味を知らないのだ」と考えれます。そう考えるとすぐに次のアプローチ(例えば右脚を当てる力を強めていく、それでもだめなら鞭をあててみる)に移せ、馬に右脚の意味を分かってもらえるよううながすことができます。

 

 

ただ、的確かつ明瞭な質問をするためには、騎乗者であれば脚を使う際に自分のバランスを崩さない体幹等必要な筋肉はある程度鍛えておかなければならないかと思います。(上記の例なら、右脚をあてた時に身体が右にずれたり、手があがってハミに刺激を与えてしまうと、馬が右脚の反応よりも騎乗者のバランスやハミにも意識がいき、混乱してしまいます。)

 

馬に乗るときはムキムキな硬い筋肉より、柔らかく且つ瞬間的に力が入る筋肉が必要と言われおり、それは馬に乗っていればある程度ついてきます。あとはバランスボールなど家で自主練習!

 

 

仕事における「質問」

 

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今、職場には馬の専門学校からの研修生がきてくださっており、

また馬未経験のアルバイトの方もいらっしゃいます。

研修生は今までで10人ほど入れ替わりできてくださり、みなさん個性的で、名前をすぐ忘れる私でさえ、全員の名前を憶えてしまっているぐらい!

 

そして、仕事がよくできる人は、「質問」ができ、なおかつ「質問」のセンスがいいなと感じます。

 

まず、「質問」できるということは、私が説明したことの意味をしっかり考えられているということです。簡単に言えば「なんで」を自分の中で生み出せ、それを発信できる人。「質問」できない人は、「なんで」と思っても、そのまま流してしまったり、そういうものだからと変に納得したり、また自分の中で生まれている「なんで」という言葉にさえ気づけていないことすらあると思います。

 

「質問」のセンスについて。

ただやみくもに「質問」すればいいってわけでもなく、それはグーグルで調べてくだされ~ っていう「質問」は、(たとえば「しつもん」って漢字でどう書きますか?みたいな、極端すぎますが笑)こちらがズッコケそうになります。

 

センスある「質問」は、自分の考えをふまえて聞いてくるので、すごくテンポよくコミュニケーションがとれます。「これについてですが、僕はこう思っていて、どうしてですか?」など。逆にこちら側がとっても勉強なります。ああ、そう考えることもできるな、と。

 

どんな「質問」であっても、こちらとしてはすごく勉強になります。ああ、この子はこういうことが疑問に思っているのだったら、ここから説明しなければいけないな、とか。思考レベルが露わになりますよね。で、こちらもアプローチの仕方を変えるわけですから、またそれも勉強。

 

逆に馬のことに戻っても、単調な質問しかしてこない騎乗者はやっぱり馬に「あ~この人はここまでの質問でおわるんだ」って考えてるかもですね。笑

 

 

じゃあ、「質問」ってどうすれば身に着くのか。

簡単です。少しクリティカルになればいいのです。

「なんで」って思って、自分で「あ~こうだからかな」って考えて、でも確信なければ(あったとしても)「質問」してみる。

そして質問した相手が「今までこうしてきたから、こうなの」みたいな説明しかできない人だった場合は、その人に質問するのをやめた方がいいですね。

 

私は物心ついたころから、隣の子が先生に「良い質問だね、」と言われているのをすごく悔しがっていた気がします。算数で正解をだして褒められるよりも、その100倍「いい質問だね」の言葉が欲しかったですし、「質問」は必ずしなければいけないと教わってきました。

今となってはそれがすごくわかります。

「質問」することは敬意にもなります。相手の言葉をしっかり聴いていますよ、と。コミュニケーションの大事な部分の1つです。

 

 

持田さんの講習を受けていると、馬のことでありながら、人にも通ずることがたくさんあります。

今回は「質問」でした。